楽譜が好き、という話。
なにが好きかを突き詰めたとき、自分は楽譜が好きなんだと、常々思っていました。 楽譜があれば何でも弾ける。楽譜があればいつでも思い出せる。楽譜があれば、どこで、誰とでも、一人でも音楽ができる。 もちろんグルーヴを出すことも必要だけど、まずは音楽へのとっかかり、入り口として楽譜があると、間口が随分と広がる。少なくとも私はそうでした。
楽譜があれば、どこで、誰とでも、一人でも音楽ができる。もともとは、クラシックピアノを学んできました。譜面通り、正確に、全部弾く——それが“正解”の世界です。 ところが15年前、ポップス・ファンク・ディスコなどのバンドでキーボードを弾くことになって、ルールがまるで逆だと気づきました。 「自分のパートはどこなのか」——ストリングスもブラスもピアノもオルガンもある中で、どれを弾き、どれを弾かないか。同じ曲でも編成が変わると、キーボーディストの役割は山のように変わります。クラシックの“全部弾く”が、ここでは通用しないんです。
やっと耳コピできたと思ったら、次は楽器の設定です。同じピアノ音でも、YAMAHA DX7 風だったり CP 風だったり、Rhodes だったり Wurlitzer だったり。それぞれコーラスをかけたり、Wah 設定を変えたり、EQ も考えたり……やることを挙げればキリがない。その上コードが違うと怒られたりして(笑)。もうパンクしそうになります。
そんなとき、楽譜や音作りのアドバイス、ちょっとしたヘルプがあれば随分助かると思ったんです。自分自身が。 クラシックは弾けるのに、バンドだと戸惑う——かつての自分のような人を、趣味のバンドで楽しく弾けるところまで連れていきたい。そう思って、このサイトを立ち上げました。