耳コピの方法は、ここ数年で劇的に変わりました。 AIツールを組み合わせることで、以前とは比べものにならないスピードで、自分のパートの譜面が作れるようになっています。 ここでは、実際に行っているワークフローをご紹介します。
使うのは Logic Pro・Klangio・MuseScore の3つです。
ステップ1 — Logic Proに音源を入れてコード分析
まず、コピーしたい曲の音源(MP3・WAV・M4a など)を Logic Pro に読み込みます。 Logic にはコード分析機能があるので、曲全体のコード進行をここで把握します。 耳コピの土台になる情報です。
ステップ2 — Stem Splitterで楽器ごとに分解
次に Logic の Stem Splitter 機能を使います。 AIが音源を自動的に、ボーカル・ドラム・ベース・ギター・鍵盤・その他に分離してくれます。 自分の楽器(私の場合は鍵盤)だけを MP3 か WAV に書き出します。
📝 Stem Splitter だけ詳しく
音源分離の手順は 「Logic Pro『Stem Splitter』活用法」 でも紹介しています。
ステップ3 — Klangioで楽譜化
書き出した音源を、Klangio という AI採譜サービスに読み込ませます。 Klangio は、AIが音源を解析して自動的に楽譜にしてくれるツールです。 出来上がった楽譜を MuseScore 形式でダウンロードします。
ステップ4 — ここからが人間の仕事
正直なところ、Klangio の楽譜はそのままでは使えません。 具体的には、このような問題があります。
- リズムがズレている
- 倍音まで音符として認識してしまう
- 途中のテンポ変更に対応できない
- Stem Splitter で分離しきれなかったギターやベースのフレーズが少しでも聴こえていると、それも拾ってしまう
つまり AI はまだ、「必要な音と不必要な音の線引き」ができないのです。
そこで MuseScore で新規に楽譜を作り、Logic で分解した音源と Klangio の楽譜を両方確認しながら、 1から入力し直しています。
それでも以前より圧倒的に速い
「結局1から入力するのか」と思われるかもしれません。 しかし、何もない状態から耳コピするのと、 コード進行が分かっていて、自分のパートだけの音源があって、不完全でも参考になる楽譜がある状態から作るのとでは、 作業スピードがまったく違います。
ゼロから聴き取る作業が、答え合わせをしながら清書する作業に変わります。 体感で、作業時間は半分以下になりました。
AIと人間の役割分担
今の AIツールは「下ごしらえ」までやってくれます。 最後の仕上げ——音楽として正しいかどうかの判断——は、まだ人間の耳と知識が必要です。 逆に言えば、その判断ができる人にとって、AIは最高のアシスタントです。
耳コピから楽譜制作まで、ご依頼は Atelier Note へ。
「この曲のこのパートを譜面に」というご相談、お待ちしています。