昔は、田舎と都会の差が本当に大きかったと思います。
欲しい本があっても、聴きたいCDがあっても、都会の大きな書店やレコードショップに行かなければ手に入らない。そもそも「こんな本がある」「こんな音楽がある」という情報自体が届いてこなかった。欲しいものがはっきり思い浮かばないのは、情報がないからだったのです。
今は逆に、情報が多すぎる時代です。
多すぎる情報とどう付き合うか
情報が無料で手に入るようになった分、精査する力が求められるようになりました。何でも鵜呑みにするのではなく、自分から専門的な情報を取りに行く姿勢が必要です。
でも、それができる時代になったということでもあります。
音楽理論を知りたければ、体系的に解説しているサイトや動画がある。グルーヴについて知りたければ、プロが言語化した文章が読める。倍音の仕組みを知りたければ、音響の専門家の解説が無料で手に入る。ひと昔前なら、専門書を探して取り寄せるか、詳しい人に直接聞くしかなかったことが、今は検索一つで出てきます。
「疑問」を全部追いかけていい
一つのことに興味を持ったとき、そこから派生する疑問を全部追いかけていける——これが今の時代の一番の恩恵だと思っています。
- なぜこのコードを使うのか
- このリズムの気持ちよさはどこから来るのか
- あの演奏家はどう考えて弾いているのか
そういう疑問を一つひとつ調べていくことが、そのまま自分の音楽の深掘りになる。
興味の糸を手繰り寄せていくうちに、思いもしなかった場所につながっていることがある。それが面白い。
情報を受け取るだけでなく、自分の疑問を起点に能動的に動いていける時代。せっかくなので、全部使い倒したいと思っています。