複数のバンドを掛け持ちしていると、音色の問題が常につきまといます。
バンドによってピアノが欲しい曲もあれば、オルガン、ストリングス、シンセパッドが必要な曲もある。20曲のセトリを1台の鍵盤でこなそうとしたとき、「どうやって音色を切り替えるか」は鍵盤弾きにとって死活問題です。
私が出した答えが、MacBook Pro+Mainstageという組み合わせです。
Mainstageとは
MainstageはApple製のライブ演奏用アプリです。Mac専用で、一度購入すれば買い切り(約4,000円)。Logic Proと同じ音源が使えるため、音質は折り紙付きです。
鍵盤をMacにMIDI接続することで、88鍵の鍵盤がそのままMainstageのコントローラーになります。曲ごとにパッチを切り替えるだけで、ピアノにもオルガンにもシンセにもなる。しかも複数の音色をレイヤーしたり、鍵域でスプリットしたりと、ハードウェアのシンセ単体では難しい設定も自由自在です。
私の基本構成
MIDIケーブルまたはUSBで鍵盤をMacに接続。Mainstageが音源として機能し、オーディオインターフェース経由でPAに出力します。ライブハウスのミキサーに刺すのはオーディオインターフェースのアウトプットです。
Mainstageにはセットリスト機能があります。曲順通りにパッチを並べておけば、本番中はフットペダルで次の曲に切り替えるだけ。両手が鍵盤から離れないので演奏が途切れません。足元で操作できるのはライブでは大きなアドバンテージです。
例えば左手はベース系の音、右手はピアノ、という設定も簡単に作れます。鍵盤1台でいくつもの役割を同時にこなせるのがMainstageの強みです。
接続の全体図
機材の接続はシンプルです。鍵盤からMacへMIDI信号を送り、Mainstageが音を生成してオーディオインターフェース経由でPAに出力します。
── 通常接続 - - - フットペダル(USB接続)
音量バランスという難問
Mainstageを使う上で一番悩ましいのが、スプリット時の音量バランスです。
例えば左半分をピアノ、右半分をシンセパッドに設定した場合、シンセ系の音は音量が大きく出やすく、ピアノがかき消されてしまうことがあります。同じベロシティで弾いても、音源によって体感音量がかなり違うのです。
自宅で「いい感じ」に設定したパッチが、ライブハウスのPAを通すと全然違って聴こえる——これはあるあるです。スタジオリハで一度実際のPAを通して確認しておくことが、Mainstage使いには必須だと感じています。
設定を詰めるためにスタジオを使うのが遠回りに思えるかもしれませんが、本番で慌てるよりずっといい。特に初めて使う音源やパッチは、必ずスタジオで確認するようにしています。
オーディオインターフェースは2台使い分け
私はオーディオインターフェースを用途によって使い分けています。
自宅制作用には据え置きタイプのSteinberg UR22Cを使用。入出力が多く、楽譜制作や音源録音などデスクワークに安定して使えます。
ライブへの持ち運び用にはYAMAHA UR12MK3を使用。コンパクトで軽く、バッグに入れてもかさばらないのが最大の利点です。白いボディも気に入っています。ライブ用途に必要な機能は十分揃っていて、音質も申し分ありません。